面接交渉権について
離婚後、親権者または監護者にならなかった親が、子どもと会うことを面接交渉と言い、その権利である面接交渉権は両親に認められています。
たとえば、妻が子どもを連れて出ていってしまった場合や、夫に子どもを会わせないようにしているなどの場合には、離婚が成立する前であっても、夫は家庭裁判所に面接交渉の申立てをすることができます。
親権者または監護者にならなかった親でも、子どもと会うことは親として当然に認められている権利であり、子の利益に反しない限りは、子どもと会うことを制限されることはありません。
しかし、面接交渉が認められる基準は、子どもの利益になるかどうかですので、会わせることで子どもに悪影響があるような場合には、面接交渉権は制限されます。
たとえば強引に子どもを連れ去ろうとしたり、新しい交際相手を面会に同席させるなど、子どもに動揺を与え、精神的不安を招くことなど具体的な悪影響が出るような場合には、面接交渉権の制限を家庭裁判所に申し立てることができます。
その他にも、親として相応しくない行為がある場合、養育費を支払わない場合、子どもに暴力を振るったり、アルコール依存症・薬物依存症などその他の悪影響を及ぼすおそれがあるような場合には、面接交渉が制限されます。
※思春期の子どもなど年齢的に非常に難しい時期で、別れて暮らす親と会うことによって、その精神状態が不安定になってしまうことが考えられるような場合には、面接交渉権が認められない可能性もあります。
※片方の親が、子どもに暴力を振るったりしていて、もう一方の親が子どもを救うために子どもを連れて離婚したような場合には、面接交渉権は認められません。
※子どもを引き取って育てている親が再婚し、子どもと共に円満な生活が営まれ、別れた親と会うことが子どもに逆に動揺を与え、子どもにとってマイナスであるとの評価がされれば、面接交渉権は認められない可能性があります。
面接交渉権にあたり決めるべき事項
面接交渉を認める場合には、条件を具体的かつ詳細に決めておくことが必要です。しっかりと決めておかないと、将来の争いのもとになる場合もありますので、出来るだけ書面にしておくことが望ましいです。
回数(月に何回、年に何回)
時間・時間帯(午前、午後、○時間、○時~○時まで)
何日間(夏休みの○日~○日の間旅行に行くなど)
(一度決めた日程を、双方の都合により調整することは当然許されます)
宿泊してよいのか
場所はどうするのか
日時・場所等は誰が決めるのか、どのような方法で決めるのか
電話や手紙のやりとりを認めるのか
誕生日などにプレゼントをできるのか
どのような会わせ方をするのか (子どもの受け渡しの方法)
学校行事へ参加できるのか
子どもの意思の確認方法
(子どもが会いたくないと言っているという理由で面接交渉を拒否しているが、本当に子どもの意思なのかが疑わしい場合もあるため)
変更する場合はどうするのか
連絡方法はどうするのか
決まらない場合はどうすればよいか
話し合いで決まらなければ、家庭裁判所へ子の監護に関する処分として面接交渉の調停申立をします。調停が不成立であれば、手続きは移行して審判になります。
調停を申立てる裁判所は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所、または双方が合意により定めた裁判所です。
面接交渉問題に関して、このような方はご相談ください
・面接交渉の条件について、話し合いがまとまらない
・悪影響があるため、子どもとの面接交渉を制限したい
・子どもとの面接を一方的に拒否され、子どもと会えなくなってしまった
弁護士が代理人となって相手方と話し合い、あなたの権利を守ります。
まずは一度お気軽にご相談ください。
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